『日本が本当に危ない』藤原肇著から
一党独裁の破綻で五五年体制や八五年体制が遺物になり、特に中曽根政権が構築した狂乱の八五年体制が自爆したが、繋ぎ役に誕生した細川政権も小沢に繰られていて、ソフトなファシスト革命に結びつく危険性を残していた。それは暴力団と国家主義の連合体を中核にし、狂信的な宗教団体に操られた維新勢力による、国家権力の乗っ取りを予想させたからである。「恥の文化」とルース・ベネディクトが呼んだ日本は、現在ではあきれ返るほどの「恥知らず」な国になり、税金を払わない宗教法人が金力で、政治を密室から操る男を通じて動かそうとしている。
野党が無力化すれば専制支配は簡単だが、日本の運命を不吉な方向に導かないようにするために、一億の日本人が力を合わせ民主主義を護り抜かねばならない。